【会員企画】『GOLDEN GATE GIRLS』上映会と 魏煜格(ルイザ・ウェイ)監督を囲む座談会

2024年06月26日

『GOLDEN GATE GIRLS』上映会と魏煜格(ルイザ・ウェイ)監督を囲む座談会
上映会チラシ

日時:2024年7月27日(土) 13:30-17:30
会場:大妻女子大学G棟5階525教室(*対面参加のみ)
 〒102-8357 東京都千代田区三番町12番地
会場までのアクセスは下記をご参照ください。
アクセス | 大妻女子大学  
 
プログラム: 
   主催者挨拶、趣旨説明<石川照子・中国女性史研究会代表> 13:30-13:40 
   魏監督紹介<江上幸子・中国女性史研究会>、魏監督挨拶 13:40-13:55  
   魏監督作品『GOLDEN GATE GIRLS』上映(日本語字幕) 14:00-15:50 
   魏監督を囲む座談会 16:00-17:30 
*コメンテーター 
   晏妮(日本映画大学特任教授) 
      「中国語圏映画における女性監督の系譜から見る伍錦霞」 
   菅野優香(同志社大学教授) 
      「ドロシー・アーズナーおよび坂根田鶴子との比較を通して考える伍錦霞」 
司会:<天神裕子・中国女性史研究会> 
通訳:<趙暉・早稲田大学非常勤講師> 
   <佐藤まな・通訳/翻訳家> 
   <姚毅・中国女性史研究会> 
 
主催:中国女性史研究会(日本) 
共催:ジェンダー史学会 
協賛:日本中国当代文学研究会 
   JSPS科研費24K00035(代表)晏妮 
   JSPS科研費23K00248(代表)菅野優香 
 
申込み:7月25日までに、こちらのフォームからお申し込みください。 
https://forms.gle/WckLs7a25gMBHVYo6 
参加費:500円(会場にてお支払いください。) 
懇親会:会終了後、18:00より懇親会を予定しております。 
 
チラシはこちらからもダウンロードできます。
 
【内容】 
   本企画では、香港出身の女性監督・魏煜格(ルイーザ・ウェイ)の『GOLDEN GATE GIRLS』(金門銀光夢)を上映し、魏監督を囲んで座談会を行う。ハリウッドで活動した中国人女性監督・伍錦霞(エスター・エン)およびその作品について広く議論し、中華圏に留まらず、アメリカそして日本というグローバルな視野における、表象とジェンダーについて検討することを目的とする。  
   魏煜格監督は香港城市大学の教授であり、ドキュメンタリー映画の監督でもある。研究分野は、女性映画史を主とする映画研究、および中国知識人を中心とした近代史研究で、両分野において優れた業績を残している。映画研究の代表作には、『東西方電影』(2016)などの著書があり、近代史研究には、『王実味:文藝整風與思想改造』(2016)などの著書がある。映像作品としては、『王実味:被淹没的作家』(2016、youtubeで視聴可)『跋渉者蕭紅』(2019、youtubeで視聴可)など多数のドキュメンタリー映画があり、映画祭で国際的に認知され、ハリウッドのメディアからの注目も集めている。 
   今回上映する『Golden Gate Girls』(2013)は、中国初の女性監督・伍錦霞(1914-1970)の生涯と作品に焦点を当てたドキュメンタリー映画である。伍錦霞は第二次大戦中および戦後に中国の観客向けの広東語映画を制作し、また、当時ハリウッドで長編映画を撮っていた数少ない女性監督の一人でもあった。しかし、彼女の映画のキャリアはその後すっかり忘れられ、魏煜格監督によって失われた物語がようやく取り戻された。本映画では現存する2本の映画のクリップ、他の8本の映画のスチール写真など、何百ものアーカイブ画像が収集され、伍錦霞の人生と作品が素晴らしいビジュアルで紹介されている。また、魏監督が伍錦霞についてアメリカや香港で取材を行った際に直面した「性別・人種・文化・言語」の問題を、自身がナレーションとして語っているところも大変興味深い。 
   中国女性史研究会はすでに47年の歴史をもち、中国女性/ジェンダーの研究を専門とする会である。2人のコメンテ―ターのうち、晏妮(アンニ)には『戦時日中映画交渉史』(2010)の著書があり、菅野優香には『クィア・シネマ――世界と時間に別の仕方で存在するために』(2023)の著書がある。第二次大戦中および戦後の日中両国の映画界における女性監督の位置・役割・運命などについて、主にジェンダー視点から議論し、おそらく現在にまで繋がる問題を明らかにすることが期待できる。同時に、ハリウッドの映画界と中国映画人の中における伍錦霞の状況から、当時のアメリカのジェンダー問題や対アジア認識についても目を向ける。伍錦霞の挑戦を通して、日・中・米の「性別・人種・文化・言語」の境界とそれを越える道について考える機会としたい。