歴史学関係学会ハラスメント防止宣言および
ハラスメント防止規程

歴史学関係学会ハラスメント防止宣言

一般に、ハラスメントは、性別、性的指向、性自認、社会的身分、人種、民族、国籍、宗教、信条、年齢、職業、学歴・職歴、身体的特徴、障がいの有無など個人の人格にかかわる言動によって、あるいは力関係や優越的地位を利用して個人に不利益・不快感を与え、その尊厳を損なうすべての行為を指します。セクシュアル・ハラスメント、ジェンダー・ハラスメント、パワー・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、レイシャル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、モラル・ハラスメント、アルコール・ハラスメントなど様々なハラスメントはようやく社会的に認知されるようになっています。また、近年ではソーシャルメディアの発達とともに、インターネット上での誹謗中傷も大きな社会問題になっています。ハラスメントを防止することは、個人の人格と人権を尊重することであり、その重要性は学問の世界でも例外ではありません。

すでに数多くの大学・研究機関では、ハラスメントを防止するためのガイドラインが作成され、改善のための取り組みと、また残念ながらなお数多く発生する様々な事件への対処が行われています。しかし、学問・研究・教育活動は大学・研究機関だけではなく、それらの組織を超えて連携・協同する学会によっても成り立っています。歴史学関係の学会も、大会・例会・シンポジウム・学会誌編集発行などの様々な組織運営活動を通じて、歴史研究者がその研究成果を発表し、互いに議論する場を提供しています。その活動は、大学・研究機関に所属しない歴史研究者によっても、あるいは教育・出版関係など広く社会一般に及ぶ様々な立場の関係者によっても担われています。ハラスメントは被害者の自由な意見表明や研究活動・組織運営活動を萎縮させます。それは民主的で自由・平等を基本とする学会活動の健全な発展を阻害するものです。

歴史学関係学会は学問の発展のために、ハラスメント防止の取り組みに積極的に協力することが求められるでしょう。本ハラスメント防止宣言に賛同する歴史学関係学会は、歴史学の発展と歴史学関係学会に携わる関係者の人格と人権の尊重のために、各学会会員にハラスメントの防止をよびかけ、啓発活動に取り組み、ハラスメントのない自由闊達で平等な歴史研究・教育活動の実現に努めることをここに宣言します。

2020年7月15日制定
2020年10月16日改定
2021年7月17日改定

日本歴史学協会,岩手史学会,大阪歴史科学協議会,九州西洋史学会,京都民科歴史部,会,芸備地方史研究会,交通史学会,ジェンダー史学会,史学研究会,上智大学史学会,駿台史学会,西洋近現代史研究会,専修大学歴史学会,総合女性史学会,千葉歴史学会,地方史研究協議会,中央史学会,朝鮮史研究会幹事会,東欧史研究会,東京歴史科学研究会,同時代史学会,東北史学会,奈良歴史研究会,日本史研究会,日本風俗史学会,パブリックヒストリー研究会,東アジア近代史学会,別府大学史学研究会,法政大学史学会,立教大学史学会,歴史科学協議会,歴史学研究会,歴史学会(賛同団体、2021年10月30日現在)

ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会規程

1条 ジェンダー史学会に、学会の活動に関連したハラスメントの発生の防止を目的として、ハラスメント防止委員会をおく。 2条 ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会は、本学会の活動に関するハラスメントについての情報の収集、調査、関係機関との連携交流、および関連業務を任務とする。 3条 ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会の委員は、代表理事が理事の中から委員長1名、副委員長1名を含む4名を指名する。 4条 ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会の委員の任期は2年とする。ただし再任を妨げない。 5条 ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会の委員は、関係者の名誉およびプライバシーなど、人権を尊重し、職務上知りえた秘密を他に漏らしてはならない。 6条 ジェンダー史学会ハラスメント防止委員会は、必要と認めるときは、委員以外の者の出席を求めることができる。

(付則 本規程は2021年12月12日から施行する)

ジェンダー史学会 ハラスメント受付窓口専用メール
ghaj-anti-harass@npo-ochanomizu.org
(ハラスメント防止委員のみに転送されます)